なぜイスラエルは厳しい攻撃を続けるのか

イスラエル軍による空爆で煙が立ち上がるガザ地区(10月29日)|Abed Khaled / AP Photo

◆極右のネタニヤフ政権、インテリジェンスの失敗
 そして、昨年末に発足したネタニヤフ政権には極右政党などが参加しており、そういった敵対勢力には断固とした姿勢を貫くこともあるだろう。ネタニヤフ政権が再び誕生した際、ハマスやヒズボラも警戒感を強めただろうが、今回の衝突で我々は「ネタニヤフリスク」にも気づいたはずだ。今回の発端はハマス側の奇襲攻撃だったが、すでにイスラエル側の攻撃は倍返しを超えたもので、ここにもネタニヤフ政権の強硬姿勢がにじみ出ている。

 また、ハマス側の攻撃について、エジプトが事前に怪しい動きを察し、それをイスラエル側に伝えていたというが、イスラエルは攻撃を未然に防げなかった。そういったインテリジェンスの失敗をネタニヤフ政権は屈辱と捉え、それによってハマス壊滅を目的とした攻撃を強化している可能性がある。

Text by 本田英寿