変質するG7サミット 中国が中国・中央アジアサミットをぶつける意味

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◆変わるG7サミットの意味
 こういった状況を見ていると、G7の意味合いが以前から大きく変わっていると感じる。以前、G7といえば先進国が集まり、世界の政治や経済でリードしていくという、まさに世界秩序の中心にG7があった。しかし、今ではG7は「世界秩序を中心になって作る」というより、「自らの陣営を守る、対抗勢力に屈しない」という一つのグループになっている。

 そして、この姿勢は今後中長期的に続き、おそらく以前のようなG7に回帰することはないだろう。すでに欧米の力は以前のようなものではなく、今後その対抗勢力が「新たなG7」を形成するかもしれない。この変化は今回の広島サミットでも顕著に見られることだろう。

Text by 本田英寿