対ロ制裁は効いているのか

Mikhail Metzel, Sputnik, Kremlin Pool Photo via AP

 ウクライナ侵攻から半年以上が経過するなか、依然としてはっきりしないことがある。それは「対ロ制裁は効いているのか」ということだ。これについては、効いている、効いていない、どちら側にも多くの見解があるが、我々はどう考えるべきなのだろうか。

◆日米欧などによる対ロ制裁
 2月下旬のロシアによるウクライナ侵攻開始以降、欧米や日本などは一斉にロシアへの経済制裁を発動し、それらを強化するようになった。バイデン政権は7月、追加制裁としてロシア産の鉄鋼やアルミ、木材など570品目への関税を現行から35%引き上げることを決定し、英国も4月に銀やキャビアなど高級品の輸入を禁止し、ダイヤモンドなどへの関税率を引き上げることを決定した。日本もロシア外交官の国外追放、高級車や宝石など贅沢品の輸出停止などに踏み切っている。

 そして、各国が制裁を強化するなか、マクドナルドやスターバックス、アップルやナイキなど世界的な欧米企業の完全撤退が相次ぐだけでなく、日本企業の多くも撤退か規模縮小、操業停止など各種のストップをかけており、ロシア経済はそれなりのダメージを受けていると思われる。

Text by 本田英寿