国外脱出、抗議デモ、徴兵事務所への攻撃……動員令で混乱するロシア

警察に拘束されるデモ参加者(サンクトペテルブルク、24日)|AP Photo

◆陸路による脱出
 一方陸路のうち、ビザが不要なジョージアには2月以降、すでに約5万人のロシア人が入国している。22日に陸路の国境を越えてジョージアに入国したあるロシア人は、前回は1時間だった国境越えが今回は12時間かかったと語っている。この時点でロシア出国のために並ぶ車の列は約6キロと見積もられていたが、25日には約20キロにのびて、国境越えには2、3日かかる状態となっている。(フランス2、9/25)

 ロシアと国境を3000キロ以上接しているモンゴルにもシベリアに住むロシア人が入国している。ロシアのローカルテレビ局は22日、ブリヤート共和国の国境検問所に100台ほどの車の列ができているとテレグラムで流した。モンゴルに入国したロシア人は国境越えに約12時間を要したと答えている。(フランス・アンフォ)

 ロシア南西部と6500キロ以上接するカザフスタンでも22日、国境に車が列をなした様子が地元のオンラインメディアで中継された。カザフスタンが23日に行った公式発表によれば、同国には2022年になってから430万人の外国人が入国しており、そのうち160万人がロシア人だという。(フランス・アンフォ)

 ロシアとフィンランドの国境は、ロシアのウクライナ侵攻以降、シェンゲン圏のビザを持つロシア人に開かれた唯一の国境となっていた。21日のプーチン大統領の発言後、フィンランドとの国境にも多くのロシア人が押し寄せたという報道が一部で流れたが、それは間違った情報だとフィンランド国境警備隊などは指摘した。ただし、上に挙げた国境ほどではないが、フィンランドへの入国者も徐々に増加。フィンランド国境警備隊のツイートによると、21日には4824人だったのが、22日には6470人、23日には7667人、24日には8572人、25日も8314人といった具合だ。そのためフィンランド政府は23日、ロシア国民の入国を「大幅に制限する」ことを決定した。(フランス・アンフォ)

◆国民の脱出を妨げる政策
 こういった国民の国外脱出を妨げるため、ロシア政府は次々に強硬政策を打ち出している。24日にはプーチン大統領が戦闘を拒否あるいは降伏した軍人に最長で10年の懲役刑を科す刑法修正案を承認した。また同日、軍に入隊する外国人のロシア国籍取得を容易にする法律にも署名している。(フランス・アンフォ、9/24)さらには抗議デモの参加者に召集令状を出す策にも出ている模様だ。

 また、ロシア地政学の専門家であるモンペリエ大学のキャロル・グリモー氏によれば、領土を離れるロシア人への規制も強化され、帰りのチケットの提示や、所持金額の明示、各種書類の提出が必要になっている。(フランス・アンフォ、9/24)

Text by 冠ゆき