混乱極める2022年:先鋭化する大国の対立、その陰で肥大化するリスク

クリミア半島を移動するロシア軍の装甲車両(1月18日)|AP Photo

◆米国の国家間問題集中によって肥大化するリスク
 一方、米国が中国やロシアなどとの国家間問題に集中することによって自然に肥大化するリスクがある。その最たるものがイスラム国やアルカイダなどジハード組織の動向だ。正直なところ、対中国は中長期的に米国の外交安保政策の最重要項目となる。よって、何か大きなテロが米国を襲わない限り、テロ問題が対中国と並ぶことはないだろう。しかし、アフガニスタンやイラク、シリアやアフリカ・サヘル地域などが「忘れ去られた地域」となることで、テロの温床化が進み、そこから欧米への攻撃を試みる意識が強まり、再び深刻なグローバルリスクとなる恐れは否定できない。

◆国家間問題も非国家間問題も深刻化する世界
 地球温暖化や人口爆発、経済格差の拡大なども影響し、今後、国家間問題も非国家間問題も同時進行で深刻化する世界の到来を筆者は懸念している。そのシナリオは決して非現実的ではなくかなりの確率で到来しそうな予感だ。20世紀までは国家間問題、21世紀初頭は非国家間問題がそれぞれ大きな問題だったが、それが同時並行で進む世界に我々はどう向き合っていくべきなのだろうか。

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Text by 和田大樹