2022年の米中関係はどうなるのか 不安定な台湾海峡、対立の行方

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 2022年が始まった。今年の国際情勢はどのように動くのだろうか。国際情勢といっても安全保障や経済、社会や文化など問題は多岐にわたるが、やはり人々の最大の関心事は米中関係の行方だろう。当然ながら、今年も米中対立は続きそれが緩和されることはない。そして、両国とも軍事的衝突などは最大限避ける一方、対立が深まれば深まるほどお互いの行動は経済領域でさらに示されることになるだろう。

◆今年も米中対立は続く
 1年前にバイデン政権が発足した際、バイデン政権になって対中姿勢が軟化するのではとの指摘も一部にあったが、蓋を開けてみればトランプ政権の対中姿勢が維持された。むしろ、バイデン政権がトランプ政権時に冷え込んだ欧州との関係を改善させ、対中で欧州と共同歩調を取る戦略を重視したことで、中国にとっては厄介な相手が誕生したとも言える。

 そして、昨年の表面化した対立構図は今年も間違いなく続く。昨年、英国やオーストラリア、カナダなども中国への警戒心を如実に示し、中国と欧米との関係悪化が顕在化した。2月には北京五輪が迫っているが、すでに米国と英国、オーストラリアとカナダ、リトアニアが閣僚などを派遣しない外交的ボイコットを表明しており、これを機に対立がさらに深まりそうな気配だ。

 中国も欧米各国も融和的な動きは一切見せておらず、地球温暖化など協調できる部分では協力する意思は示しているものの、基本的には対立構図が今年も続いていくことになる。

Text by 和田大樹