アングロサクソン諸国が北京五輪「外交的ボイコット」表明 どこまで広がるか

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 米中対立が続くなか、来年2月に開かれる北京五輪が迫っている。しかし、ここにきて欧米を中心に閣僚など政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」が広がっている。2022年も中国を取り巻く情勢が厳しく進んでいくことは容易に想像がつくが、その行方を左右する動きはすでに始まっている。

◆バイデン政権に続くアングロサクソン系英語圏
 バイデン政権は6日、新疆ウイグル自治区における人権侵害を理由に政府関係者を派遣しない方針を示した。米議会下院議長が今年5月、中国政府による香港国家安全維持法の施行やウイグル人権侵害などを背景に、北京五輪の開会式や閉会式への政府関係者の参加を見合わせるよう呼びかけるなど、バイデン政権も以前から外交ボイコットをちらつかせてきた。

 バイデン政権の方針決定に一部の国が追随する動きを見せている。カナダのトルドー首相は8日、カナダは何年にもわたり中国の人権侵害に深い懸念を表明してきたとし、米国と同調姿勢をとることを明らかにした。またオーストラリアのモリソン首相や英国のジョンソン首相も同日、外交ボイコットに出る方針を表明した。英国のタイムズ紙やオーストラリアのシドニー・モーニング・ヘラルド紙は11月、ジョンソン政権やモリソン政権が政府関係者の派遣拒否を検討していると報じていた。

Text by 和田大樹