米議会襲撃は何を意味するのか 極右ネットワーク、隙狙う国々

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◆国境を越えて繋がる極右勢力のネットワーク
 また、今回の暴動による影響は米国本土に留まらない。近年、英国やフランス、ドイツやウクライナ、北欧諸国、オーストラリアやニュージーランドなどほかの国々でも白人至上主義者やネオナチなど極右勢力の活動が活発化している。各国の極右勢力は米国の極右勢力と情報交換やメンバーの受け入れなどで関係を強化し、国境を越えて繋がる極右勢力のネットワークというものがテロ専門家の間でも大きな懸念となっている。6日の暴動がすぐに他国の治安悪化に繋がるわけではないが、たとえば、陰謀論「Qアノン」の信奉者は米国外にも存在する。

◆中国や北朝鮮、ロシアはこれをどうみるか
 一方、6日の襲撃を中国や北朝鮮、ロシアはどうみるだろうか。バイデン政権になると、少なくとも米国と北朝鮮、ロシアとの関係はトランプ時代より難しくなると考えられ、対中関係も基本的には改善しないだろう。要は、国家間の覇権争いは依然として続くことになるが、6日の襲撃のように分断した米国という姿は、中国やロシアに政治的隙を与え、海洋覇権や軍事的けん制などをさらに誘発する恐れがある。分断した米国というものは、米国内だけでなく、今後国際関係にさらに大きな影響を与える可能性がある。

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Text by 和田大樹