2021年の世界情勢のカギとなるものは?

Andrew Harnik / AP Photo

 去年は、コロナで始まってコロナで終わった年だった。それによって各国とも内政に多くの時間を割かれ、外交では十分な成果を達成できなかった政権が多かったことだろう。

 新型コロナは主要国間の関係を変えた。米中対立はさらに深まり、インドやオーストラリアの「中国離反」が進み、欧州主要国の中国への警戒心も高まっている。今年のG7の議長国である英国は、今年のサミットに韓国とインド、オーストラリアを招待するとしている。また、新型コロナによって人や物の移動は制限され、グローバル化した現在の世界経済は多大な打撃を受け、とくに航空業界や旅行業界の利益は落ち込んだ。感染拡大が続く限り、国際的な人の往来が日常を取り戻すことはなさそうだ。

 では、このようななか、今年世界はどこに向かうのだろうか。いくつかここでは提示してみたい。

◆バイデン新政権の誕生は脱トランプとなるか
 今年の世界情勢にとって、まずカギとなるのが1月20日のバイデン政権の発足である。それ以降、バイデン政権が中国や北朝鮮、イランなどにどう対応していくか徐々に明確になってくるだろう。しかし、実際どこまで外交に力を入れられるかという問題がある。国内では依然としてトランプ氏の人気は根強く、新型コロナウイルスが喫緊の課題であり、まずは新型コロナ対策が第一になることは間違いないだろう。

 そして、今日の世界は、トランプ大統領に象徴されるように、自国第一主義的な流れが強く、バイデン政権が掲げる国際協調路線がどこまで機能するかという課題がある。イスラエルやサウジアラビア、東欧の右派政権のようにトランプ氏の再選を内心期待していた国々、また中国との経済的結びつきが強い国々も多く、バイデン政権の価値観は決して現在の国際政治の流れと一致するものではない。バイデン政権の脱トランプは決して簡単なものではないだろう。

Text by 和田大樹

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