「香港国家安全法」支持53ヶ国、反対の倍 見えてくるもう一つの世界

Kin Cheung / AP Photo

 先週施行された香港国家安全維持法をめぐり、中国と米国をはじめとする自由主義諸国との間では亀裂がこれまでになく深まっている。そして、それらは東シナや南シナ海、台湾、そして中印国境をめぐる争いにも影響を及ぼし始めている。一方で国家安全維持法をめぐっては、我々はより戦略的に考える必要がある。そうすることでもう一つの世界も見えてくる。

◆国家安全維持法を支持する国が53ヶ国
 スイス・ジュネーブで6月30日、第44回国連人権理事会が開催され、国家安全維持法に関する審議が行われた。予想はできたことかもしれないが、そこからはもう一つの世界が見えてくる。国家安全維持法に反対したのは、日本をはじめ、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フランス、アイルランド、ドイツ、マーシャル諸島、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、パラオ、スウェーデン、スイス、イギリスなど27ヶ国だった。ちなみに米国はトランプ政権になってから同理事会から脱退している。

 だが、賛成国は反対国より約2倍多い。賛成に回ったのは中国をはじめ、バーレーン、ベラルーシ、カンボジア、カメルーン、中央アフリカ、キューバ、ドミニカ、エジプト、赤道ギニア、イラン、イラク、クウェート、ラオス、モーリタニア、モロッコ、モザンビーク、ミャンマー、ネパール、北朝鮮、オマーン、パキスタン、パプアニューギニア、サウジアラビア、ソマリア、スリランカ、スーダン、シリア、UAE、ベネズエラ、ザンビア、ジンバブエなど53ヶ国だった。

 同理事会で発言したキューバの代表団は、「国家の安全を維持するための立法権は国家にあり、それは国連憲章上も明らかで、香港国家安全維持法は人権問題ではないため、ここで議論すべき問題ではない」との考えを表明している。では、なぜこういった国々は国家安全維持法に賛成するのだろうか。

Text by 和田大樹

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