EU離脱した英国、インド太平洋にどう関与するのか?

Eugene Hoshiko / AP Photo

 欧州連合(EU)からの離脱を果たし新たな道を歩み出した英国のラーブ外相は2月上旬、離脱後初の外遊先として日本とオーストラリア、シンガポールとインドを選んだ。なぜ、同4ヶ国訪問を選択したのか。英国は、インド・太平洋地域への関与を強め、世界の海を支配したあの大英帝国への回帰を図ろうとしているのだろうか。

◆戦略的経済パートナーがほしい「ブジグジット後の英国」
 まず、ラーブ外相が日本などを訪問した背景には、世界経済が複雑化するなか、戦略的な経済パートナーがほしいという事情がある。現在、EUを離脱した英国は、自国経済を維持・拡大する必要性に迫られている。これら4ヶ国はいずれもTPPの参加国だが、英国は各国の二国間経済関係だけでなく、TPPに参加し、同地域と強い経済関係を確立することを望んでいる。当然、今後世界経済の中心がアジアになることを熟知した上での戦略だろう。

 一方、英国は中国との経済貿易関係も近年強化しており、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)のメンバーでもある。インドは、日本や米国とともにインド太平洋構想の主要国であるが、中国との経済関係から、インド太平洋構想は排他的なものであってはならないとの立場を貫いている。英国も今後同様の立場をとる可能性もある。

Text by 和田大樹

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