中国は「先進国」、貿易ルールの変更を 豪首相が主張

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 アメリカを訪問したオーストラリアのスコット・モリソン首相は、シカゴで行ったスピーチで、中国は「先進国」だという見方を示した。世界2位の経済大国らしく、国際社会でより大きな責任を負うべきだという考えだが、同首相の発言を疑問視する声もある。

◆もはや途上国にあらず、トランプ氏も不平等を指摘
 モリソン首相は中国を「新興先進経済」と呼び、世界のグローバル機関はこの新しい地位を認識し、中国の位置付けを修正するべきだと主張した。世界の貿易ルールは「もはや目的に合わず」、作られた時代とはまったく状況が変わっているケースもあると指摘し、それが中国であることを示唆した(ロイター)。

                                                                                                                 

 中国は、国内総生産(GDP)でアメリカに次ぐ世界2位の経済大国で、2009年以来世界最大の輸出国となっている。豪ニュースサイト『news.com.au』は、世界の企業トップ500のうち100社が中国に拠点を置き、富裕層の数は世界一だとしている。ところが、中国は自国を途上国としており、WTO(世界貿易機関)から制度面での特別待遇を得ている。

 もっとも、途上国と自己申告しているのは中国だけではない。WTOには、途上国と先進国を定義する明確な枠組みがなく、多くの国が中国同様勝手にステータスを決めているのが現状だ。米通商代表部は、WTO加盟国の3分の2近くが、自国を途上国と位置付けることで恩恵を受けていると断じる。購買力平価ベース一人当たりGDPで見た世界で最も裕福な国10か国のうち7か国が、いまだに自称途上国だという。またG20かつOECDのメンバー国であるメキシコ、韓国、トルコなども、自国を途上国としている(news.com.au)。

 米政府は、この状態ではメンバー間の不平等が大きすぎるとし、WTOルールの改革が必要だと主張している。そして、不平等を顕著に表すのが中国の状況だと見ている(news.com.au)。アメリカのトランプ大統領は、2018年の4月には、中国は「偉大な経済大国」だが、とくに米国と比べて「莫大な特典と利益を得ている」とツイートし、中国が自国を途上国としていることに不満を表明した。今回モリソン首相もそれに同調した形だ。

Text by 山川 真智子