「いずも空母化」は第一ステップ? 5隻に向かう中国、「ゆるやかなアプローチ」で追う日本

出典:海上自衛隊ホームページ

 海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」を、戦闘機を運用する事実上の空母に改修する案が、近く改定される防衛大綱に明記されることになった。これにより、日本の空母保有の可能性が一段と現実味を帯びてきたと、海外メディアも広く報じている。そのなかで、直接のライバルと目される中国は、「原子力空母を含む5隻で対抗する」と、早くも日本を牽制している。
 
◆「小さいながらも強力な航空戦闘能力」を獲得
 政府が年末に策定する新たな防衛大綱に関する与党自民・公明両党のワーキングチームは今月11日、「いずも」型を改修し、米国製F-35B短距離離陸垂直着陸機(STOVL)ステルス戦闘機を搭載して事実上の空母として運用する計画を進めることで合意。防衛大綱の骨子案に、必要ならば現有の艦艇でSTOVL機を運用する措置を取る旨明記した。その主な目的が、空母保有を進め、急拡大を続ける中国海軍に対抗することであるのは明らかだ。

 海上自衛隊は現在、2015年に竣工した「いずも」と2017年竣工の「かが」の2隻のいずも型を運用している。広い飛行甲板を持つ空母の外観に近いものの、現状ではヘリコプターの搭載にとどまる。また、能力的には事実上の駆逐艦と言えるが、専守防衛の建前から国内では「ヘリコプター搭載型護衛艦」と呼ばれている。

 米防衛誌ナショナル・インタレストは、「改造すれば、それぞれ12機程度のF-35Bを搭載できるようになり、日本の自衛隊に小さいながらも強力な航空戦闘能力が備わる」と、改修のインパクトを表現している。改修の技術上の最大のポイントは、離着陸の際にジェットエンジンの噴射口が真下を向くF-35の排気熱に対する飛行甲板の耐熱処理だと言われている。

                                                                                                                 

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Text by 内村 浩介