「日本が妊娠中のクジラを殺害」海外メディア一斉に調査捕鯨を批判 「なぜ殺す?」

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◆ICJ判決で一時中止も 何のための調査捕鯨?
 日本の調査捕鯨は、商業目的で行われているとして長年批判を受けていた。国際司法裁判所(ICJ)は2014年、当時行われていた第二期南極海鯨類捕獲調査(JARPAII)は国際捕鯨取締条約で認められている科学目的の調査とは言えないとの判断を下した。

 これを受けて調査捕鯨は一旦中止されたが、新たに策定された調査計画「新南極海鯨類科学調査計画(NEWREP-A)」の下で2015年から再開されている。捕獲数については大幅に減少し、今回の調査捕鯨では333頭となった。

 批判を受ける中で日本が調査捕鯨を続ける目的は、商業捕鯨の再開にあるとされている。2017年に成立した「商業捕鯨の実施等のための鯨類科学調査の実施に関する法律」では、現在禁止されている商業捕鯨再開を目指すことが明記されている。ただ、国外だけでなく日本国内にも、調査捕鯨はクジラ肉を売る目的で行われているという見方は存在する。

Text by 後藤万里