EU諸国、グーグル・アマゾンらに怒り心頭―租税逃れを許さない姿勢―

 EU各国では、巨大多国籍企業の「税金逃れ」が問題とされている。イギリスでは公聴会が開かれ、スターバックス、アマゾン、グーグルの幹部が批判を浴びた。スターバックス英国法人は進出以来、総額約3840 億円の売り上げがありながら、大半の年は損失を計上し、支払った法人税は約 11 億円にとどまる。フランスでは、国税局がアマゾンに約2億ユーロ(約200億円)の申告漏れ・追徴税を支払うよう要求している。
 また、5日のG20財務相会議では、英独財務相が、こうした企業の租税回避行為に対抗するため、国際協力体制の構築を呼びかける共同声明を発表した。

 こうした問題の背景には、Eコマースなどインターネットビジネスが発達したことや、各国の複雑な租税システムがあると各紙は指摘した。インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙は、法人税率が各国により違うことを指摘。例えばアマゾンの利益の大部分は(法人税の安い)ルクセンブルグに送られており、グーグルも同様にアイルランドに法人をおくことで法人税をおさえているという。EU加盟国間の取引となるため完全に合法な行為だが、緊縮財政と低成長を余儀なくされている各国国民・政府の怒りを買っている格好だと指摘されている。

 フィナンシャル・タイムズ紙は、EUの欧州委員会が勧める2つの手段を紹介した。第一に、各国の税制ギャップの解消、第二に、国境を超えた取引にて、「両国から租税を回避する」ことを防ぐ条項を追加するように求めるとしている。こうした提案が12月5日のEU財務相会議に提出され、受け入れられる見通しだと報じられている。

Text by NewSphere 編集部