ナイキ「ウッズの不倫よりアームストロングのドーピングは許せん」

 ナイキは17日、ランス・アームストロング氏とのスポンサー契約を終了すると発表した。アームストロング氏は、ガンから復帰後にツ-ル・ド・フランスを7連覇。しかしドーピング疑惑が囁かれ、米反ドーピング機関が調査報告書を発表していた。なおアームストロング氏は疑惑を否定している。ナイキ以外にも、スポーツ用品メーカーや食品メーカーなどがスポンサー契約の終了や見直しを表明している。
 またアームストロング氏は、がん撲滅・患者支援団体体Livestrongの代表の座を降りた。氏は、現状を鑑みマイナス影響を避けるためと説明している。

New York Timesの報道姿勢―ナイキはドーピングを許さない―
 ナイキとアームストロング氏の関係は96年にはじまり、長年信頼関係を築いてきたと紹介した。ナイキは、同氏のドーピング疑惑についても一貫して擁護の姿勢を見せていたが、今回は突然の契約終了判断だったと指摘している。ナイキは文書で、反論しがたい証拠が見つかったとして、アームストロング氏が同社を欺いてきたことは明白で残念だとした。ナイキは、タイガー・ウッズなどプライベートでのスキャンダルが発覚したスポーツ選手に対してこうした対処は行なっていない。アームストロング氏は競技において許されない行為を働いたため、厳しい判断を下したと専門家は分析した。
 また「Livestrong」の歴史と実績についても報じた。同団体は97年に設立され、5億ドル(約400億円)の寄付が寄せられている。スキャンダルにも関わらず、ウェブ上では、アームストロング氏や同団体を支援する声が多いと紹介した。専用サイトもあり、彼の成し遂げた偉業をサポートしようと呼びかけられている。ナイキらも、同団体への支援は続けたいとしている。

Financial Timesの報道姿勢―企業の判断に注目―
 アームストロング氏のスポンサー契約金は1530万ドル(約12億円)で、そのうち50~80%をナイキが占めていたと推測し、ナイキが契約を終了することの影響の大きさを指摘した。基本的に事実に基づいた報道でNYTと重複する内容が多いが、ナイキ以外のスポンサーのコメント、判断を詳細に取り上げている。

Text by NewSphere 編集部