「沈没してもベッドに留まった」 『タイタニック』出演、ルー・パルターさん94歳逝去

AP Photo/File

映画『タイタニック』出演の俳優ルー・パルターさんが2023年5月21日に、肺がんのため94歳で亡くなっていたことが分かりました。

パルターさんの娘さんが「The Hollywood Reporter」に明かしたものです。

パルターさんは『タイタニック』で、アメリカの百貨店「メイシーズ」の共同経営者であるイジドー・ストラウスさん役で出演。

タイタニック号が沈没する中、救命ボートに乗るのを拒否して、ベッドで妻を抱きしめる姿が印象的な役柄でした。

海外メディア『CHOQUEI』はTwitterで、そのシーンを投稿しています。

パルターさんが演じたイジドーさんは、1912年発生のタイタニック号沈没で亡くなった実在の人物。

さらに、先日、タイタニック号の残骸を見るツアーの潜水艇「タイタン」の損壊事故がありましたが、そこで亡くなったウェンディー・ラッシュさんは、イジドーさんのやしゃご(ひ孫の子供)という偶然もありました。

パルターさんは、『タイタニック』のほかに、『刑事コロンボ』シリーズなどにも出演。

さらに42年間、カリフォルニア芸術大学で演技の教師や監督、指導者を務め、俳優エド・ハリスさん、ドン・チードルさん、セシリー・ストロングさんらも生徒だったそうです。

『サタデー・ナイト・ライブ』の出演で知られるセシリーさんはInstagramで、パルターさんについてこのように想いをつづっています。

「何年もの間、私の先生はタイタニック号でベッドにいることを選んだ老人だったと自慢することができたので、ありがとう」

映画『タイタニック』が、6月24日と7月1日に前後編に分けてフジテレビ系で放送されるというタイミングでのパルターさんの死去に、SNSではさまざまな意見が書き込まれました。

「悲しいニュースです」
「ルー・パルターが94歳で亡くなった。どうか安らかに。ルー」
「このタイミングというのは不思議だ」

パルターさんのご冥福をお祈りいたします。

Text by 川崎 謙三郎