「根っからのアナログ人間」ノーラン監督、「AIの問題は数年前から明白だった」

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『TENET』がヒットし、原子爆弾の発明を描いた新作映画『Oppenheimer』の監督を務めたクリストファー・ノーランさん。

WIRED』誌のインタビューで、人工機能(AI)について本音を語りました。

その中で、「兵器システムにおけるAIの成長と、それが引き起こすであろう問題は、何年も前から非常に明白でした」と発言。

特にチャットボットが登場したことで、メディアの仕事に脅威をもたらしていると考えているようです。

さらに「AIが全能であるという考え方を認めると、軍事や社会経済、その他何であれ、人々の行動に対する責任を軽減できるということになる」とノーランさん。

また「今後自身の映画でAIを使用しますか?」といった問いには、「僕は昔からのアナログ人間だよ?フィルムで撮影して、俳優たちにもリアルを求めているんだ」と回答しています。

その言葉通り、ノーランさんはアクションシーンのために本物のビルや乗り物を爆破したり、撮影のために広大な畑を作ったりと、「リアル」にこだわることでも有名です。

なお、以前ノーランさんはPeople誌のインタビューで、「スマートフォンもメールアドレスも持っていない」と驚きの告白をして世間を驚かせました。

昔ながらの折り畳み式電話を必要な時に触る程度で、「現代人みたいに暇な時にネットで暇つぶしをしたくない」ことが理由だといいます。

さらに「その間に、僕は最高のひらめきを思いつくことが多いんだ」と明かし、友人や家族にはメールより直接電話をかけて要件を伝えるのだそう。

「核爆発の様子をCGなしで再現した」という新作『Oppenheimer』は、アメリカでは2023年7月21日に公開を控えており、上映前から早くも話題となっているようです。

Text by 春野 なつ