「インドの森の男」40年木を植え続け、死にゆく島を楽園に
♦︎いまも自身の森で
テレグラフ紙はパイェン氏の半生を振り返る。少年時代の1979年に黙々と始めた環境保護の取り組みは、いまや彼を著名な活動家へと押し上げた。同年、地元の森林局が緑化計画を実行に移した際には、氏は早くも現場の作業者に正式に任命されている。その後も植林を続けて野生動物の楽園を作り上げ、「インドの森の男」の愛称で親しまれるまでになった。
環境活動に注力してきたパイェン氏も42歳で結婚し、2人の息子と1人の娘に恵まれた。いまでは自身が育んだ森で乳牛とバッファローを飼っており、その乳を売って生活している。これまで大切な家畜を幾度もトラに襲われて失ってきたが、ヒンドゥー紙の伝えるところでは、それも当然の摂理として受け入れている。氏は現在、4月から6月にかけて植樹を進めるサイクルで一年を過ごしている。このタイミングで新たに草木を植えておくことで、6月からの雨季に大きく成長できるのだ。残りの期間も森で種を集めて回るなど、常に森のことを考えた生活を送っている。
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