侵略的外来種、絶滅種の6割の要因 年61兆円損失 報告書

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 人や物の往来が世界規模で広がるとともに、増えているのが外来生物だ。土地固有の動植物とは性質が異なるため、生態系に被害を及ぼす可能性が懸念されている。都心でも最近目撃されている野生動物のアライグマやハクビシン、ヒアリなども外来生物だ。国連は、こうした外来種は世界規模で急速に拡大し、経済活動に被害を及ぼしていると、「侵略的外来種」に関する包括的報告書で警鐘を鳴らしている。

◆外来種3万7千種 世界規模で発見
 国連生物多様性条約の科学諮問委員会である「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム」(IPBES)は4日、地球規模の侵略的外来種に関する報告書を発表し、外来種3万7千種が人間の活動によって世界中に持ち込まれ、甚大な経済的被害をもたらしていると警鐘を鳴らした。IPBESは49ヶ国の86人の研究者からなるチームによって4年にわたり外来種を調査し、包括的な報告書「侵略的外来種とその管理に関するテーマ別評価」を初めて公表した

 同報告書は、生物多様性や生態系の破壊および喪失を促進するのと同時に、経済や食料・水確保、人間の健康などに対する大きな脅威となっていると指摘した。

 侵略的外来種が世界の動植物の絶滅の60%の主要な役割を担い、2019年の世界の経済損失は年間4230億ドル(約63兆円)を超えた。1970年以来、10年ごとに4倍に損失が増えていったことの集大成であり、この傾向は続くだろうと予測した。

Text by 中沢弘子