COP27「損失と被害」基金創設で合意 先進国と途上国の歩み寄りなるか

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◆先進国側と発展途上国側の歩み寄り
 アフリカの多くの国にとっての「開発」および経済成長の実現と、気候変動対策のための温室効果ガス排出量削減という二つのバランスをいかに取るかというのは難しい争点だ。アフリカ各国の首脳陣には、国の発展のためには石油やガスといった自国の天然資源の開発を進めたいという思惑がある。一方で、アクティビストらはこうした動きには無論反対だ。同時に、アフリカ大陸が排出する温室効果ガスは全世界の約4%。排出の大半は先進国側に責任があるのも事実だ。

 COP27の会期中、なかなか合意に至らないなか、会議の終盤でようやく合意文書の初稿が公開された。そして18日までの予定であった会期は延長され、最終的に20日に合意文書が採択された。合意内容のハイライトは、「損失と被害(Loss and Damage)」に関する言及と、その課題に対応するための途上国支援基金の設立だ。この基金の設立に関する合意は、今までにない歴史的な歩み寄りの結果である。一方で課題もある。合意文書には、化石燃料の段階的な廃止に関しての言及はなく、基金に関する具体的な運営関連の決議などは来年のCOP28に持ち越されている。

 COP27の主要合意文書では、2050年までに排出量ネットゼロを達成するためには、再生可能エネルギーに対して毎年約4兆ドル(約560兆円)という巨額の投資を行う必要があるとのこと。さらに、ローカーボン経済への移行を実現するためには、毎年少なくとも4〜6兆ドルの投資が見込まれるとある。合意形成には至ったものの、具体的に資金が動き出すまでにはさらなる議論を要するという状況のようだ。

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Text by MAKI NAKATA