LVMH会長、プライベートジェット追跡され売却 CO2排出で標的に

ベルナール・アルノー氏(2017年)|Jérémy Barande / Wikimedia Commons

◆世界の富裕層が標的 ツイッターでフライト情報を公開
 ツイッターアカウントの「I Fly Bernard」は、「63人のフランス人億万長者が、人口の50%に相当するCO2を排出している」と投稿。同会長だけでなく、富裕層や著名人が自家用機をツイッターアカウントに追跡されている。こうした現象は約1年前に始まった。

 フライト情報を追跡するトラッキングアプリを利用して、テイラー・スウィフト、カイリー・ジェンナー、ビル・ゲイツ、マーク・ザッカバーグなどの著名人やスターのフライト状況が常に監視されている。その結果、7月にテイラー・スウィフトに非難の声が殺到した。英デジタル・マーケティング企業ヤードの発表によると、彼女の自家用機が2022年1月1日から7月29日に排出したCO2は8294トンに達し、平均的な1人当たりのカーボンフットプリントの1000倍以上と暴露されたのだ。スウィフト側は、自家用機が定期的に貸し出されているためだと弁明した。

 また、3分の飛行距離のためにプライベートジェットを使用したとして、米インフルエンサーでモデルのカイリー・ジェンナーがソーシャルメディア上で「環境犯罪人」と呼ばれ、大ひんしゅくを買う騒ぎも起きた。スウィフトのほか、スティーブ・スピルバーグ、マーク・ウォルバーグ、オプラ・ウィンフリーらが環境保護を訴えながらも、プライベートジェットを過度に利用するセレブリティとしてワーストランキング入りしている。

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Text by 中沢弘子