一握りの富裕層が大量のCO2排出 脱炭素に逆行するプライベートジェット問題

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 大量の二酸化炭素を排出するとしてプライベートジェットを利用する芸能人らが批判されてきたが、実は近年利用する人が増加して業界は大盛況だという。気候変動に対する意識が高まるなか、一部の特権的ともいえる利用に対し、なんらかの規制をすべきという声も出ている。

◆セレブの飛行を追跡 排出量の多さに唖然
 セレブのプライベートジェットを追跡するツイッターアカウントCelebrity Jetsによれば、歌手のテイラー・スウィフトが二酸化炭素排出量ランキングでトップに立った。彼女のプライベートジェットの炭素排出量は今年これまでで8300トンと報告されている。自家用機はしばしば他者に貸し出されており、すべてを彼女のせいにするのは正しくないと広報担当者は説明しているが、大きな批判を浴びている。(ビジネス・経済ニュースサイト『マーケット・プレイス』)

 映画俳優のハリソン・フォードは気候変動への取り組みで知られているが、頻繁にプライベートジェットを利用している。Celebrity Jetsにもデータを提供する飛行追跡サービスADS-B Exchangeによれば、フォードは2ヶ月足らずで少なくとも8回プライベートジェットを利用し、約35トンの二酸化炭素を排出したことが判明した。自然保護団体ネイチャー・コンサーヴァンシーによれば、アメリカ人の平均的な二酸化炭素排出量は年間16トンで、世界の平均は年間約4トンだという。ほかにも映画監督のスティーブン・スピルバーグ、俳優のレオナルド・ディカプリオ、カーダシアン・ファミリーなどが頻繁なプライベートジェット利用者として非難されている。(フォックス・ニュース

Text by 山川 真智子