「カタールW杯ボイコットする」仏などで拡大、なぜ? 外交ボイコット求める声も

建設中のルサイル・スタジアム(2019年12月)|Hassan Ammar / AP Photo

 11月20日に開幕するサッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会を前に、これをボイコットしようという動きが起こっている。誰が、なぜ、ボイコットを呼びかけているのか?

◆元選手や日刊紙によるボイコット宣言
 この夏以来、ワールドカップのボイコット宣言が各所で聞こえるようになった。フランスの俳優ヴァンサン・ランドンは8月末、ワールドカップを視聴しないと発言。サッカー元ドイツ代表のフィリップ・ラームや元フランス代表エリック・カントナもそれぞれ批判的な意見を述べている。(テレグラム紙、9/16)

 また、フランス領レユニオン島のル・コーティディアン紙は46年目の創刊日にあたる9月13日、カタールのワールドカップについてのニュースも広告も紙面に載せないと宣言した(ヨーロッパ1、9/20)。

◆スクリーン設置のボイコット
 ワールドカップの視聴の仕方は自宅のテレビで観戦するほかにもいろいろある。熱心なファンなら、開催国のスタジアムまで行って観戦するだろう。そこまで行けなくても、臨場感を味わうために仲間たちと集って大スクリーンで観戦するファンは多い。欧州ではそういう顧客のためにバーやカフェが店内上映を企画したり、市町村が市民のために屋外巨大スクリーンを設置するのが常となっている。

 店としては売り上げを伸ばす大切な商機となるわけだが、ここにきて、今回は上映しないと決める店や町が増えている。ベルギー、ドイツ、フランスのバーやカフェなどだ(20minutes紙、9/27)。スクリーンの非設置を宣言する町も日に日に増えており、フランスでは、首都パリをはじめ、リール、ランス、ボルドー、マルセイユ、ストラスブール、ナンシーなどの主要な都市も名乗りを上げている(RTL 5minutes、10/4)。

Text by 冠ゆき