「廃棄物」を「鉱脈」に リサイクルエネルギーめぐる動き加速

バイオガスで走るバス(フランス・パリ、7月28日)|Jacky D / Shutterstock.com

 新型コロナやロシアのウクライナ侵攻などが主な原因となり、世界各地でガス、電気、ガソリンなどエネルギーが不足し、価格が高騰している。そうした状況を背景に、リサイクルによるエネルギー生産を採用する動きが活発になっている。

◆フライドポテトの油から燃料
 フランス議会は7月22日、使用済み食用油を燃料として使用することを承認した。これはエコロジー党バイユー議員提出の修正案によるものだ。同案によれば、10リットルの廃油から8リットルの燃料が得られ、従来のディーゼル燃料よりも温室効果ガスの排出が最大で90%減少される。(フィガロ紙、7/22)

 食用油からの燃料生産は、フランスではこれまで違法とされてきたものだ。同議員はこの案の利点として、エネルギー獲得に関して他国への依存度を減らせる、エコロジカルな効果が得られる、国民への経済的後押しになる、という3点を挙げている。(同上)

◆食品廃棄物からメタンガスを
 食品廃棄物からバイオメタンと肥料を生産する計画もフランス各地で着々と進んでいる。フランス首都圏のイル・ド・フランスでは、毎年平均79万トンの食品廃棄物が出ており、そのほとんどはゴミとして焼却されるか埋立地に送られているのが現状だ。そのようななか、バイオ廃棄物を分別できる業者の枠が2023年末から広がることもあり、バイオ廃棄物のメタンガス化施設が現在複数準備されている。イル・ド・フランスだけで、4ヶ所のメタンガス化施設がオープン予定だ。(リュジヌ・ヌーヴェル誌、8/25)

 そのうちの一つ、モレ・ロワン・エ・オルヴァヌの施設は、1年で2万5000トンの有機物から約25GWhのバイオメタンを生産する。これは、周辺自治体の住民4000人のニーズをカバー、あるいはイル・ド・フランスのバイオガス・バス110台分の燃料をカバーするのに十分なものだ。また、バイオメタン化により、天然肥料という副産物が生まれるのも魅力だ。(レ・ゼコー紙、2021/9/21)

Text by 冠ゆき