加速する地球温暖化 18歳の活動家トゥーンベリのメッセージとは

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◆18歳の活動家、グレタ・トゥーンベリの発信内容
 スウェーデン出身の環境活動家であるトゥーンベリ。2019年9月に行われた国連気候行動サミット2019(UN Climate Action Summit 2019)における演説がきっかけで、彼女は世界的に知られるようになった。演説では、未来の世代という立場から、各国リーダーに対して気候変動問題に対する責任を厳しく追及し、よりドラスティックな形で二酸化炭素の排出量の削減を求めた。彼女は、その前年の8月、15歳の時に、スウェーデン議会の前で気候変動に対する対策の欠如を非難するプロテストを開始した。当初は、ストライキという形で3週間学校を休み、デモを続けた。プロテスト活動は、現在『Fridays For Future(未来のための金曜日)』という名の下、組織化されたムーブメントとなり、世界各地に波及している。彼女は仲間とともに、現在も毎週金曜日に授業をストライキして、議会の前でプロテストを続けている。プロテストは、9月3日時点で159週目を迎えた。

 IPCC報告書のリリースにあたって、トゥーンベリは自身のツイッターで意見を発信。報告書での新たな発見はなく、これまでの研究や報告書で明らかになっているとおり、地球温暖化は危機的状況にあるとコメント。さらに、報告書には行動指針は示されておらず、この危機をきちんと危機として捉えて行動する必要性を改めて訴えた。

 トゥーンベリは、8月に創刊したスカンジナビア版のヴォーグの表紙を飾るとともに、表紙インタビューにも応じた。インタビューでは、ファッションの話題はほとんど出てこないが、ファスト・ファッションを購入することは、環境にダメージを与える業界に加担し、拡大することを意味すると非難した。自身は、この3年間、まったく買い物をしておらず、基本的に知人からものを借りるスタイルだという。3年前に購入したのもセカンドハンドのアイテムだそうだ。

「自分はまるで壊れたレコードのようだと、たまに思う。何度も同じことを繰り返すという意味で」とトゥーンベリ。気候変動の危機というメッセージをより多くの人に伝えるため、彼女のプロテストと発信は続く。

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Text by MAKI NAKATA