「政府は温暖化対策を」スウェーデンの高校生が始めた金曜日デモ、世界の子供のムーブメントに

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 昨年8月、スウェーデンの当時15歳の高校生が国会前で座り込みの抗議行動を始めた。それに連動し、オーストラリアやドイツの高校生が毎週金曜、学校を休んでのデモを始め、その流れはベルギー、フランス、イギリスと広がり、各地でのデモの規模は数万人単位に膨れ上がっている。若い彼らが必死に訴える目的は何か。

◆発端は15歳の少女の孤独な抗議活動
 昨年9月のスウェーデンの総選挙に際し、気候変動の問題が選挙の争点として十分なかたちで提議されていないとして、スウェーデンの高校生グレタ・トゥーンベリさん(当時15歳)が同8月、国会前で座り込みの抗議行動を始めた。

 グレタさんの学校を休んで続けた座り込みは選挙が終わるまで3週間におよんだ。それ以降も、気候変動の問題への関心を呼び起こすため、引き続き毎週金曜日のみ学校を休んで座り込みの抗議活動を続け、表情にまだあどけなさを残すグレタさんの熱心な抗議行動はメディアの注目を集めるところとなる。

 おりしもヨーロッパは記録的な暑さで気候変動への危機意識が高まっていたこともあり、グレタさんの抗議活動の話題はスウェーデンの外にも広がることとなった。グレタさんは12月にはCOP24(気候変動枠組条約第24回締約国会議)で、今年1月はダボス会議で、気候変動への火急な対策を求めるスピーチを行い、環境活動のアイコンとなりつつある。

Text by Tamami Persson