レジ袋有料化から1年、その効果は?

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◆有料化でプラごみは減ったのか
 ごみ袋メーカー「サニパック」が実施したレジ袋に関するアンケート調査結果によれば、もらったレジ袋は家でごみ袋にしたり、食料品の保存袋として使ったりと、再利用していると答えた人が9割以上にのぼっている。つまり、レジ袋はそのままごみとして捨てられることは少なかったとも言えるが、最終的には可燃性ごみとして焼却炉に送られてしまう。前述の辞退率のデータなどからは、「レジ袋のごみ」そのものは減ったようにもとれるが、有料化の反動のような動き、つまり無料でレジ袋をもらう機会が減った反面、レジ袋と似たような形をした取っ手付きのポリ袋の売り上げが有料化前の2倍以上になっているという調査結果もある。したがって、レジ袋の有料化で、プラごみが減ったと簡単に言い切るのは難しそうだ。

◆有料化は効果があったのか
 我が国で年間排出されるプラごみは約900万トンで、そのうちレジ袋はわずか2~3%、海洋漂着ごみについても容量ベースで0.3%程度だ。したがって、レジ袋を削減したからといってプラごみの決定的な削減にはつながらない。にもかかわらず有料化に踏み切った理由は、消費者一人ひとりの使い捨てプラに依存したライフスタイルの変革を促すことであり、前稿「レジ袋有料化の本当の狙い」で述べたとおりだ。

 それでは、私たちの意識は変わったのだろうか。今回の有料化でマイバッグを使っている人を街中で目にする機会がかなり増えた。環境省が行った意識調査によれば、レジ袋有料化をきっかけとして、「ごみの分別を以前より行うようになった」「海の生き物への影響を気にするようになった」など、環境への意識が向上したと回答している人が多くなり、有料化は、飛躍的にプラごみ問題と環境問題を解決したとは言い難いが、人々の意識を変えたという点において大きな意味があったと思われる。

Text by 和田眞