米でレジ袋が復活、新型コロナへの恐怖から 心配される脱プラへの影響

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◆思ったより使用は少ない? 脱プラの象徴
 プラスチック使用への反対運動が始まったのは、太平洋にゴミの塊が漂流していることが発見された1988年頃だとブルームバーグのコラムニスト、アダム・ミンター氏は解説する。環境ムーブメントはすぐに活発になり、とくにレジ袋やストローなどの使い捨てプラスチックが、世界的な活動の焦点となった。もっとも、2010年の調べでは、レジ袋やラップなどが家庭や事務所から出されるゴミに占める割合はたったの0.3%だった。対照的に、プラスチック容器やパッケージは30%を占め、ムーブメントの方向性に問題があったと同氏は指摘している。

 一方LATは、数あるプラスチック製品のなかで使い捨て袋が取り上げられたのは、それがどこにでもあるからだと述べる。毎年アメリカでは1000億枚が使用されているが、リサイクルは難しい。また清掃費用も莫大で、使用禁止前には、カリフォルニア州では年間4億2800万ドル(約454億円)の税金が投入されていたと推定される。

◆プラ業界チャンス到来 今後の影響は?
 レジ袋禁止に反対してきたプラスチック製造業界は、この機会を利用し反撃に出ている。NPRによれば、これまで完全な禁止となることを恐れ、しぶしぶリサイクルのアイデアを受け入れてきたが、いまやレジ袋の禁止は、「公共の安全へのリスク」だとし、レジ袋こそ最も安全な選択だと訴えている。加えて原油安ということもあり、化石燃料業界には、プラスチック製品は大切な収入源となっている。

 レジ袋の利用がこのまま続き、その他の再利用可能な製品まで「安全ではない」と恒久的に見なされるという懸念が、活動家たちに広がっているということだ。しかしミンター氏は、持続可能性への消費者の意識は高まっており、今後もプラスチック離れは進むと見ている。アクセンチュアが世界11ヶ国6000人を対象に行った調査では、プラスチックを最も環境に良くないパッケージ材料だと思う人、5年前に比べ環境にやさしいものをもっと買っているとした人、企業が再利用やリサイクルできる商品を開発することが大事とした人は、いずれも7割を超えている。コロナでトレンドが変わることはないという見方だ(ブルームバーグ)。

 一方、米環境保護団体、天然資源保護協議会のエリック・ゴールドスタイン氏は、アメリカ人が消費するプラスチックの量は今後も大幅に増えると予測されていると述べる。レジ袋はシンボルであり、使い捨てプラスチックにおいては微々たる問題だとし、コロナによるレジ袋の復活よりも、長期的なプラスチック利用の増大を心配している(NPR)。

Text by 山川 真智子

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