he と she は they に 性差ある単語使わない、米バークレー市 肯定的な研究結果も

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 米カリフォルニア州の都市バークレーの市議会が7月、同市の条例から性別を特定するような単語や表現をすべて排除することを全会一致で決定した。このニュースが世界を駆けめぐったとき、ソーシャルメディアでは「やり過ぎでは?」という声も見られた。しかし同市議会の決定とは別に行われた実験では、性的に中立な言葉を使うことにより、女性やLGBT(性的少数派)の人たちに対し、より肯定的な態度が促進されたという結果が出た。

◆マンホールやマンパワーもNG
 これまでも、性別によって使い分けられる英単語を、もっと中立なものに置き換えようという動きは世界的にあった。例えば、警察官はかつて「policeman」(ポリスマン)と呼ばれ、女性警官には「policewoman」(ポリスウーマン)という違う単語が使われてきたが、現在は男女どちらでも使用できる「police officer」(ポリス・オフィサー)が一般的だ。同様に、男女別に使いわける「waiter」(ウエイター)や「waitress」(ウェイトレス)よりも、最近は「server」(サーバー、給仕する人という意味)の方が好まれるようになっている。

 しかしバークレーの市議会が今回、全会一致で決定したのは、これをさらに徹底するものだ。市の条例に使われる言葉から、性別を明確に使う単語をすべて排除する。同市議会が発表した書類によると、例えば「manhole」(マンホール)は「maintenance hole」(メンテナンス・ホール)となる。兄弟を意味する「brother」や姉妹を意味する「sister」は、男女のどちらのきょうだいでも使用できる「sibling」となる。日本語にもなっている、労働力を意味する「manpower」は「human effort」となる。単純に「男女」を表現するような言葉「men and women」も「people」(人)に置き換えられる。とにかく一切、男女という概念を条例からなくしてしまうようだ。

Text by 松丸 さとみ