このままではパリ協定の目標は全く無理、ICPP報告 リーダー不在響く

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 2016年に発効したパリ協定では、世界共通の目標として、平均気温上昇を産業革命以前に比べ2度より十分低く保ち、1.5度に抑える努力をすることが掲げられている。ところが国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、今世紀末までに気温は3度上昇し、地球上の生物の活動が崩壊する可能性があると警告している。アメリカではトランプ大統領が温暖化に懐疑的な姿勢を示しており、リーダー不在による問題の悪化を心配する声も上がっている。

◆2度上昇で危機的状況に 生態系や生活にも影響必至
 ICPPは、世界の気温は産業革命以前よりすでに1度上昇しており、今のままでは早ければ2030年にも1.5度、今世紀末までに3度に達する可能性があるとしている。これはパリ協定の目標を超えるレベルだ。

                                                                                                                 

 IPCCのハンス=オットー・ポートナー氏は、1.5度以上の気温上昇となれば、長期または回復できない変化が起きるリスクがあるとしている。ICPPは最新の報告書で、気温上昇は1.5度と2度では大きな違いがあるとする。例えば、2度上昇ではサンゴ礁は死滅するが、1.5度上昇では生き延びるものもある。気温が0.5度上昇することで、熱波の影響を受ける人は4.2億人増加し、海面上昇による死者は1000万人増加する。

Text by 山川 真智子

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