「マクロン後継者」調査で躍進、34歳ガブリエル・アタル教育相の型破りさ

ガブリエル・アタル氏|Pierre Galan / Shutterstock.com

◆マクロン陣営を代表する人物
 話をアタル氏に戻すと、この世論調査より少し前にJDD紙の依頼でIfopが行ったアンケート調査でも、アタル氏の人気の高さがわかる。これは、具体的な人物名を挙げ、「このうち、2027年にエマニュエル・マクロン陣営を代表すると思われる人物は誰か」という問いを投げかけるものであった。

 この質問に対し、アタル教育相を選んだ人は57%で、フィリップ元首相の55%を上回った。この2人に次いで、ダルマナン内相(49%)、ルメール経済相(48%)、エリザベット・ボルヌ首相(46%)、ジャン・カステックス元首相(40%)が選ばれている。

 もしも2027年にアタル氏が大統領に選出されれば、38歳の大統領が現れ、マクロン大統領の記録、39歳を塗り替えることになる。

◆人気の秘密は?
 若きアタル教育相がこれほどまでに国民の信頼を得た理由は何なのか? フランス・アンテール(11/2)は、言行一致、しかもほぼ即時実行であることが大きいとしている。

 教育相となってからの例を挙げれば、教育相に就いてわずか3週間後には、いじめ問題に関し、いじめの被害者ではなく加害者を転校させるという法令を出した。また、学校でのアバヤ(イスラムの民族衣装)着用禁止を発表した翌週には、全国の学校でアバヤ禁止が実行された。さらに、バカロレア(高校卒業試験)を6月、ブルベ(中学卒業試験)を7月にすると明言した後には、すぐさまその通りに学校のカレンダーが設定された。

Text by 冠ゆき