陰謀論者ケネディ氏出馬でトランプ氏不利に? 混迷の2024年米大統領選

ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏(10月9日)|Matt Rourke / AP Photo

◆共和党支持者層で高い好感度
 ケネディ氏の発言通り、同氏はケネディという名前で民主党支持者、そして「陰謀論者」という点では共和党支持者にアピールしているようだ。実際に10月17日付のマリスト社世論調査結果では、バイデン氏が全体の44%、トランプ氏が37%、そしてケネディ氏が16%と、バイデン氏よりトランプ氏の票を奪っていることが伺える。保守派メディアに出演して陰謀論を展開していれば、前回大統領選ではトランプ氏を支持した陰謀論者層がケネディ氏に流れるであろうことは容易に想像がつく。

 事実、ABCニュースによると、ケネディ氏は民主党支持者よりも共和党支持者に人気が高いという。ケネディ氏の好感度調査の結果、民主党支持者の間では35%が「好感度が高い」と回答しているのに対し、45%は「好感度が低い」と回答し、好感度はマイナス10ポイントだった。一方、共和党支持者は55%が「好感度が高い」、27%が「好感度が低い」と答えており、好感度はプラス28ポイントという結果となった。

 今後トランプ氏の裁判が進行し、違法行為が暴かれて同氏の支持者が離れていく結果となれば、伏兵ケネディ氏がトランプ氏支持者層により一層食い込んで行く可能性もありそうだ。

Text by 川島 実佳