トランプ氏はなぜ機密文書を返さなかったのか 元側近が語る意外な理由

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 アメリカのドナルド・トランプ前大統領は8日、国防情報の意図的な保持や司法妨害など37件の罪状で、連邦大陪審に起訴された。トランプ氏はなぜ機密文書を持ち出し、それらを返還しなかったのだろうか。

◆トランプ氏「機密文書は合法的に私の物」
 トランプ氏は起訴後、FOXニュースに出演して自身の無実を主張しているが、そのたびに自分が機密文書を持ち出した事実を認めたり、「私は忙しくて、まだ箱の中を見ていなかったので返したくなかった」などと語り機密文書を返還しなかったことを認めるなど、矛盾した発言を繰り返してかえってぼろを出している状態だ。

 毎回少しずつ変わるトランプ氏の主張の一部には、「持ち出した書類は『大統領記録法』により私が合法的に所有している」というものがある。しかし、すでに大統領職を退任しているトランプ氏には機密文書を保持する権利はなく、大統領記録法では大統領退任後、これらの書類の所有権は即時に国立公文書記録管理局(NARA)に移行すると定められている。

Text by 川島 実佳