国が飲酒推奨?! 海外が国税庁のビジネスコンテスト「サケビバ!」に驚愕

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 国税庁が、日本の酒類市場の活性化策として主催するビジネスコンテスト「サケビバ!」に、国内外から疑問の声が上がっている。海外ではこれまでも飲酒に寛容な日本独特の文化を伝える報道はあったが、国の機関が飲酒を推奨するかのような今回の事業は、驚きをもって報じられている。

◆酒豪は消える運命? 飲酒は若者に不人気
 日本の酒類市場は、人口動態の変化に伴い縮小傾向にある。税務署の発表では、成人1人当たりのアルコール消費量は、1992年度の101.8リットルから2020年度には75リットルに減少した。10年以上前から人口減少が始まり、8年前に65歳以上の国民の割合が4分の1以上に増えたことから、アルコール消費量が減るのは必然的なことだった。

 ライフスタイルの変化なども酒類の消費量に影響している。CNNは、コロナ禍で飲食店の営業時間短縮など厳しい規制が行われたとことに言及。経済産業省の調べでは居酒屋がとくに大きな打撃を受け、2019年から2020年にかけて売り上げが半減したと述べている。一方、家飲みは大幅に増え、40代から60代の約30%が週に3日以上、定期的に飲酒していることがわかった。しかし若年層は例外で、20代では週に3日以上は7.8%しかいなかった。フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、上の世代より酒量が減る、もしくはまったく飲まないというのは世界的な傾向で、日本の若い世代も同様だとしている。

Text by 山川 真智子