トランプ氏が7月に大統領選出馬表明か 1月6日事件捜査で焦り

米アラスカ州での集会で演説するトランプ前大統領(7月9日)|Bill Roth / Anchorage Daily News via AP

◆7月中に大統領選出馬公表の報道も
 一方ABCニュースによると、司法省は同事件の計画に関連したとみられるトランプ支持者の弁護士ジョン・イーストマン氏の電話を押収。司法省は捜査の予定などを発表していないものの、こちらも徐々にだが進展しているようだ。

 このほかにもニュースサイト『デイリー・ビースト』によると、ジョージア州の選挙法違反容疑の捜査やニューヨーク州の脱税捜査も大詰めを迎えており、今後数週間で大きな展開がある可能性が高いという。また新しく1月6日事件証人への偽証教唆の疑いも浮かび上がっているほか、トランプ氏のソーシャルメディア『トゥルース・ソーシャル』の捜査などもあり、トランプ氏が文字通り四面楚歌の状態であることは間違いないようだ。

 しかしニューズウィークによると、トランプ氏は1月6日捜査から人々の目を逸らす目的から、7月中にも2024年大統領選出馬の公表を予定しているという。大統領として再選することにより、少なくとも在任中は訴追を逃れることを狙っているのかもしれない。

 実際に7月現在の世論調査では、インフレやガソリン価格が原因で人気が下降しているバイデン氏に勝っている。ハーバード大学と調査会社ハリス・ポールによる世論調査結果では、「トランプとバイデンが候補者である2024年大統領選が現在開催されたとしたら、誰に投票するか」との問いに対し、43%がトランプ氏、40%がバイデン氏と回答している。しかし大統領選まではまだ2年4ヶ月あり、現在の状況から見ると、トランプ氏がそれ以前に何らかの容疑で訴追される可能性が高そうだ。

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Text by 川島 実佳