若者の選挙離れを止めるか? フランス大統領選マッチングアプリが話題

アプリ「エリーズ」の画面。

 4月に大統領選挙を控えるフランスで、投票候補の決定を助けてくれるアプリがリリースされ話題になっている。使用方法はマッチングアプリ「ティンダー」とほぼ同じというシンプルかつユニークなものだ。

◆若年層の選挙離れ
 近年フランスでは、若い世代の選挙離れが著しい。たとえば、昨年6月に行われた地域圏議会選挙では、18~25歳の87%が棄権した。今年は4月に、5年に一度の大統領選挙を控えているが、第一回投票80日前の調査によれば、18~30歳で投票の意志を持つ人は45%のみ、18~22歳に限れば38%とさらに低い(20minutes紙、1/19)。ただし、フランスの場合、選挙離れは政治離れと同語ではない。その証拠に18~22歳の66%は大統領選挙キャンペーンに注視している(同)。

◆大統領候補者の多さ
 フランスの大統領選挙は、成人(18歳以上)国民による直接選挙だ。立候補は23歳以上のフランス国民であれば誰でもできるが、500人以上の議員の推薦署名を集める必要がある。今回はその期限が3月4日となっている。現在すでに40人以上が候補者として名を連ねているが、上記の理由で実際の候補者はもっと少なくなると思われる。前回2017年の大統領選挙時には、残った候補者は11人だった。

 すでに各メディアは有力候補者それぞれの意見をまとめたサイトを作っている。たとえば、ウェスト・フランス紙は、32のテーマ別に各候補の発言をまとめている。候補者の数が多いためかなりのボリュームとなっている。

Text by 冠ゆき