トイレに文書を流す? トランプ氏の大統領記録法違反、捜査で露呈

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 騒動はそこで終わらなかった。USAトゥデイによると、ニューヨーク・タイムズのマギー・ヘイバーマン氏は今年10月に発売予定のトランプ氏に関する著書『Confidence Man』で、調査の結果、トランプ氏はホワイトハウスのトイレに破った書類を流し、頻繁にトイレが詰まっていたことが明らかになったと記している。2020年1月のNBCニュースの報道では、トランプ氏がミシガン州の選挙運動中に「時にトイレを10回流さなければならない」とぼやいていたことがある。その当時はホワイトハウスの水圧が弱いのかと思われていたが、ヘイバーマン氏著書の内容が明らかになったいまは、トランプ氏のトイレがなかなか流れなかったのは流した書類が詰まったからではないか、という憶測が囁かれている。

◆司法省にホワイトハウス文書取り扱い捜査要請
 トランプ氏は2016年の大統領選挙で、民主党候補のヒラリー・クリントン元国務長官がプライベートの電子メールサーバーを利用していたという「スキャンダル」を大ごとにし、クリントン氏が政府の情報を軽々しく扱ったのは罪であり、逮捕されるべきだ、などと攻撃したが、今回のスキャンダルで明らかになったのは、トランプ氏自身の国家機密や法律、そして民主主義を軽視し、自分の都合のいいように利用する姿勢だった。

 NBCニュースによると、NARAはトランプ氏のホワイトハウス記録の取り扱いについて、司法省に捜査を行うよう要請している。トランプ氏はすでに1月6日事件や税金の不正申告、選挙法違反などについての捜査を受けているが、ここに大統領記録法違反の捜査が新たに加わることはまず間違いなさそうだ。

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Text by 川島 実佳