トランプ氏とバイデン氏で真逆、気候変動・環境問題への考え方

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 また9月初め、トランプ大統領は西海岸での壊滅的な山火事のなかでカリフォルニアを訪れた際、山火事の原因が気候変動であることに懐疑的な見方を示した。そのコメントに対し、バイデン氏はデラウェア州ウィルミントンで、気候変動と戦う計画とその影響が世界中の異常気象をどのように悪化させているかを中心に演説し、トランプ大統領を非難した。

 石油とガスの掘削に関しては、トランプ政権は拡大する方向性を示している。内務長官のデビッド・バーンハート氏は8月、北極圏国立野生生物保護区の海岸にある150万エーカー以上の石油とガスの掘削を許可すると発表した。しかし9月に入り、トランプ大統領は大西洋沖の掘削サイトの禁止区域を広げた。これは単に、選挙戦で重要となるフロリダなど沿岸地域の有権者にアピールするためだとする見方が強い。バイデン氏のキャンペーンのウェブサイトでは、北極圏の海洋掘削を世界的に一時禁止することを目指すと約束し、オバマ・バイデン政権下で大西洋と北極海の大部分が掘削禁止されたことを有権者に思い出させた。

◆パリ協定にも大きな影響
 トランプ大統領は、以前から「パリ協定は(米国の)経済を弱体化させる」と述べ、米国に不当な負担を課し不利益を被るという理由でパリ協定を批判している。2019年11月4日、トランプ政権は国連に協定からの離脱を正式通告したが、規定により離脱可能になるのは1年後の今年11月4日である。大統領選挙の翌日というタイミングだ。トランプ大統領が再選すれば、初仕事が「パリ協定離脱」になる可能性もある。バイデン氏は、「気候変動の脅威に対処するために世界の地域を結集し」米国をパリ協定に再コミットすると述べている。

 最終的にどちらの候補者が大統領に選ばれるかで、今後の環境問題に関する米国の立場や考えはかなり変わっていくと見られる。

Text by sayaka ishida