バイデン氏ならトランプ氏に勝てる可能性大? 次期大統領選、世論調査

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◆対トランプでもバイデン氏が有利な傾向
 反トランプを掲げる民主党員の狙いは、間違いなく民主党候補を当選させることにある。そのためにはやはり、民主党だけではなく共和党の中道派にもアピールできるバイデン前副大統領を擁立したいところだ。では、今民主党員とトランプ大統領が大統領選に出馬した場合、どちらが有利だろうか?

 1月22日付の政治世論調査機関PPP(パブリック・ポリシー・ポーリング)の調査によると、バイデン氏とトランプ氏が出馬した場合はバイデン氏が53%、トランプ氏41%でバイデン氏が12ポイントのリード。以下、サンダース10ポイント、ハリス氏7ポイント、オルーク氏6ポイント、ウォーレン氏6ポイント、ギリブランド氏5ポイント、ブッカー氏5ポイントでそれぞれトランプ氏をリード。ここでも一番有利なのはバイデン氏だが、過半数の人々が、「トランプ氏以外なら誰でもいい」と思っているらしく、現時点では調査対象となった民主党候補全員がトランプ氏をリードするという事態になっている。

 では、トランプ氏支持基盤の保守州ではどうだろうか? PPPによる米南部ノースカロライナ州の世論調査(1月9日付)によると、大統領選はバイデン氏49%、トランプ氏44%でバイデン氏が5ポイントリード。以下、サンダース氏は3ポイントリードしているが、ウォーレン氏は46%で同率、ハリス氏は45%で同率、ブッカー氏とオルーク氏はトランプ氏が46%で1ポイントリードという結果となった。それでも、南部州でここまで善戦できるのは良い結果といえよう。

 最近は「プログレッシブ」と呼ばれる急進リベラル派が幅を利かせている民主党だが、調査結果から見て、アメリカ国民全体の傾向を踏まえたうえでトランプ氏を確実に打ち負かしたい場合、中道派で政治経験が長く、両党に多くの友人を持つジョセフ・バイデン前副大統領が最も大統領候補としてふさわしく、また当選の確率が高いと言えそうだ。

Text by 川島 実佳