「トランプ氏、違法行為しようとした」前国務長官が批判 大統領も「馬鹿者」と反撃も

Drop of Light / Shutterstock.com

 2017年1月のトランプ政権発足後、政治経験がまったくないにもかかわらず、同年2月国務長官に就任した石油会社エクソンモービルの前会長兼CEOレックス・ティラーソン氏。しかし、在任中はトランプ大統領との不仲が噂され、NBCニュースの2017年10月3日付報道によると、ティラーソン氏が国防総省で行われた会合でトランプ大統領を「間抜け(Moron)」と呼び、確執がエスカレート。今年3月31日付でトランプ氏に同職を解任された。

◆「大統領は違法行為をしようとした」と問題発言
 そのティラーソン前国務長官が6日、テキサス州ヒューストンでCBSニュースにインタビューを受け、トランプ大統領について赤裸々に語った。記事によると、ティラーソン氏は在任中、「こういうことを、こういう風にやりたい」と主張するトランプ氏に対し、頻繁に「大統領、それは違法なのでできません」と諭さねばならなかったという。同氏は、「私は率直なやり方以外、どのように彼と対峙すべきか分からなかった」「彼(トランプ氏)は、『それはできません』と私に毎日言われることに疲れたのだろう」と述べた。

 またティラーソン氏はトランプ氏が「きわめて規律を欠いている」と語り、規律が整い、プロセス指向の強いエクソンモービル社CEOの身から一転して、「読書が嫌いで、ブリーフィングの報告書を読まず、さまざまなことの詳細を考えるのが嫌いで、ただ『私はこう信じる』と言う男のために働くのは難しかった」と付け加えた。つまり、ティラーソン氏は半ば堂々と、「トランプ氏は大統領として人格的にふさわしくない」と語ったのである。

Text by 川島 実佳