中国国防費が18兆円、8.1%の増加 空母、最新鋭ミサイル、兵器開発進む

Mark Schiefelbein / AP Photo

 中国の国防費予算は今年、前年比8.1%増加の1兆1,000億元(約18兆5,800億円)となる。中国は現在、2隻目となる空母の建造、空軍部隊へのステルス戦闘機の統合、長距離で空中・地上の標的を攻撃することのできる最新鋭ミサイルの配備を進めているところだ。

 3月5日に開幕した、形ばかりの国会ともいえる全国人民代表大会(全人代)の政府活動報告によると、国防費の前年比増加率は、昨年(7%)をやや上回った。財務部より、昨年予算は7%増の1兆元(約16兆8,900億円)であったことが正式に報告された。

 ここ数年、国防費は前年比2桁で増加していたため、中国の国防費は米国に次いで世界第2位となっている。米国で来年度に支出が予定されている国防費は7,160億ドル(76兆5,800億円)である。

 李克強首相は、「我々の軍事力を強化するにあたり、中国独自の方法を採用し続ける。軍事訓練や戦争への準備態勢のあらゆる側面を前進させる」と、人民大会堂に集う軍部の代表約3,000人への報告で述べた。

 李首相は、国軍が「国家主権、安全保障、開発権益を断固として守ることになるだろう」と発言。

 兵士数でみると中国は世界最大の軍事国家だが、李首相によると、国軍の規模を30万人削減するという目標を「基本的に達成した」という。これにより人民解放軍の規模は約200万人となる。

 しかし張業遂報道官は4日、中国の国防費がGDPに占める割合と予算規模は、他の主要国と比較すると低水準にとどまっているとコメントした。

 今年度の国防費が、82兆7,000億元(1,396兆6,000億円)となった昨年のGDPに占める割合は約1.3%である。

 アナリストたちは、中国政府発表による国防費が正確だとは考えていない。防衛機器のプロジェクトには、「予算枠外」の支出が相当程度含まれているからだ。

 インフレ調整後でみた今年の増額規模は昨年と概ね同水準だとしたうえで、上海の軍事専門家であるNi Lexiong氏は、中国が軍拡競争を回避する方向を目指し、最先端のシステムや訓練に投資する選択をしたと述べた。

 米国、日本、インドといった中国と競合する国々は、軍事予算の増額が鈍化したことでやや安心できそうだが、中国の海・空軍、ミサイル、対衛星の性能が急速に進歩しているのを目の当たりにすると「好ましくは思わないだろう」と、上海大学政法学院のNi教授は述べている。

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会議が終わり、人民大会堂から出てくる軍部の代表たち(Mark Schiefelbein / AP Photo)

 軍事評論家のSong Zhongping氏は、中国の国防予算はあまりに規模が大きくなったため、2桁の増加率はもう必要ないと話している。

Text by AP