なぜ東京が「経済的豊かさ」全国最下位なのか 中間層の厳しい現実

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◆通勤を考慮すると、東京の豊かさは最下位に
 国交省はさらに踏み込み、参考情報として、通勤によって奪われる機会費用を算定した。通勤時間、出勤日数、1時間あたりの所定内給与をもとに、1ヶ月で失われる機会費用を求めた。

1位:東京都(5万8142円)
2位:神奈川県(5万5753円
3位:千葉県(4万9380円)

 4位以下、埼玉県、大阪府、奈良県、兵庫県、愛知県、京都府の順に、都市部の都府県が続く。都市部では通勤で失われる機会費用が高いことがわかる。基礎支出を差し引いた先ほどの差額から、こうした通勤の機会費用を減算すると、中央世帯の経済的豊かさのランキングは以下のようになる。

1位:三重県(23万9996円)
2位:富山県(23万7390円)
3位:山形県(23万7202円)
—中略—
45位:大阪府(15万38円)
46位:沖縄県(14万8124円)
47位:東京都(13万5201円)

 都市部・地方部が混在しているものの、首都圏や大阪圏の大都市は下位寄りとなる傾向があるようだ。38位以下は順に、埼玉県、兵庫県、大分県、長崎県、青森県、神奈川県、千葉県、大阪府、沖縄県、東京都となっている。

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Text by 青葉やまと