サプリ全般の危険性について注意喚起、仏メディア 紅麹問題

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 小林製薬の「紅麹」問題はフランスでも早い時期に報道された。フランスでも「天然」の成分でできた栄養補助食品を好む人が多いため、その潜在的危険性を正しく理解するよう警鐘を鳴らした形だ。

◆紅麹のスタチンと同等の効用
 欧州においても紅麹の摂取により血液中のコレステロールの減少が期待できることは知られている。欧州食品安全機関(EFSA)は2012年、ある一定の条件下での紅酵母由来のモナコリンK(ロバスタチン)摂取は、「正常なLDLコレステロール値の維持に貢献する」と認めた。その効果は、通常コレステロールを下げるために用いられる医薬品スタチンとほぼ同等だ。これは、モナコリンKがスタチンの仲間であることを考えれば不思議なことではない。

◆スイスでは禁止
 一方でDFSAの努力にもかかわらず、モナコリンKの安全な摂取量は確立されていない。またモナコリンKと同じ成分のロバスタチンには、多くの副作用の可能性があり、ほかの薬剤との相互作用の可能性も高い。スイスでは、副作用のなかでも特に肝臓や筋骨格系に損傷を与える可能性を重く見て、薬品としても食品としても紅麹を成分とする製品の売買を違法としている。

 さらに、紅麹は、用いる株や生産状況によって、有毒物質であるシトリニンを生産することも広く指摘されている。

Text by 冠ゆき