ノルウェー領に戻る? イギリスの離島が「別の統治形態」を模索

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◆ブレグジットならぬオークジット? 財政面での不満深刻
 これまでオークニーでは、「スコットランドを離れてノルウェーに行く」というのはよくある冗談だったが、ここ数週間、真剣な話題になっているという。7月初めに、オークリー議会では、ノルウェーに復帰するかどうかも含め、「別の統治形態」を模索することへの動議が提出された。

 オークニーに住む2万2500人の住人の多くが動議に共感しているという。議会リーダーのジェームス・ストッカン氏は、動議はノルウェーに復帰することが目的ではないとする。同氏によれば、オークニーはシェットランドなどほかの島嶼自治体と比べて政府から受け取っている1人当たりの財政支援が少なく、不満が高まっている。(スコッツマン紙

 同氏は、オークニーでは住民生活に必要なフェリーの買い替えもできず非常に困窮しているが、中央政府による財政の綿密な調査は一度も行われていないと主張。過去40年間、北海油田を通じて国に貢献してきたが、その配当金だけでは不十分だとしている(BBC)。

 加えて、スコットランド国民党(SNP)のスキャンダルや、スナク首相の仕事ぶりへの低評価なども、動議への共感につながったとされる。

◆考えられる選択肢は? 英政府は完全否定
 オークニーでは、以前も同様の動議を可決したことはあるが、今回の決定的な違いは、「北欧とのつながり」復活のための調査を義務付けたことだという。つまり、ノルウェーのみならず、デンマークやアイスランドなどとのつながりを追及することも可能だ。さらに、チャンネル諸島やマン島のような英王室属領になる、フォークランド諸島のように英海外領土になる、デンマークのフェロー諸島のような自治領になるという選択もあるという。(スコッツマン紙)

 オークニーの動きに対し、英首相の報道官は、「イギリスのいかなる地域にも、王室属領や海外領土の地位を与える仕組みはない」とし、基本的にイギリスは一つで、それを変える計画はないと述べている(BBC)。

Text by 山川 真智子