男性にもっと家事参加してもらうためのアプリ、スペイン政府がリリースへ

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 スペイン政府は5月18日、世帯内での家事の分担を監視するアプリケーションの立ち上げ計画を発表した。このアプリを使えば、それぞれの家族が家事に費やす時間が一目瞭然になるという。家庭内における男女不平等は、アプリで改善できるのか?

◆西欧で最も男女平等の進んでいる国
 ひと昔前のスペインは、家父長の権限が強く残る「マチスモ」の国という印象があった。だが、1990年代以降、男女平等が叫ばれる動きのなか、スペインは急速に男女平等政策を推進し、今では西ヨーロッパで男女不平等を是正するのに最も成功した国とみなされている。

 たとえば、2021年に男性の育児休暇を15日から16週間に延長。これは出産する女性が取れる育児休暇と同じ長さだ。さらに、今年の3月には、政治や企業経営における女性の地位を強化することを目的とした法案が提出された。これには、上場企業の取締役や専門機関における女性の割合が40%以上でなくてはならないことなどが含まれる。ちなみに現在ペドロ・サンチェス政権も閣僚の半数以上が女性である。

 同国は、女性が被害者となることが多い家庭内暴力についても2004年に保護法を制定し、この問題を専門に扱う警察官や裁判所を多く設けるなど女性の地位向上について先進国的立場にあるのだ。

Text by 冠ゆき