ドイツで欧州初の「堆肥葬」開始 遺体を40日かけて土に 費用30万円

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◆堆肥葬を選ぶ人は主流派になるのか?
 マイネ・エアデが重視するのは、「遺体が土に還り、新しい生命(草木)に生まれ変われる(死は終わりではなく始まりを意味する)」「土葬や火葬よりも環境に優しい」という点だ。

 堆肥葬は環境保護という点では従来の埋葬法より優れているが、科学的に信頼できる情報が不足しているという反対意見はある。医師たちは「40日という期間は、土葬の法定埋葬期間を超えている(堆肥葬も土葬の一種と考えられる)」「残った骨はどのような装置で処理するのか」「金属遺骨(たとえば人工関節、ペースメーカー、金歯)はどうするのか」「堆肥になった遺体に病原体が残らないようにできるのか」といった疑問を抱いている(ハンブルガー・アベンドブラット)。

 ドイツ人はどのような形の埋葬法を希望しているのか。ドイツ全国から葬儀の相談を請け負うノーヴェンバー(Everlife社)によると、火葬の希望が約60%、土葬が30〜40%、海葬(北海やバルト海に埋葬される)が5~10%、森林葬が14%だという。将来、堆肥葬が主流になることはないかもしれないが、いったいどれだけの人が堆肥葬を選択するようになるだろうか。

Text by 岩澤 里美