エコのために「破壊」もいとわない活動家たち 一般市民との間に亀裂も

ドイツ西部ノイラートにある石炭火力発電所近くの線路を封鎖する活動家(1月17日)|Oliver Berg / dpa via AP

 人為的要因による気候変動が引き起こすさまざまな問題が次々とあらわになっている近年、環境活動家による抗議運動はますます激化している。時としてエコロジーの名のもと違法な抗議活動も行われている。

◆車をパンクさせるエコロジスト活動家
 フランス北部の町ランベルサールでは1月24日朝、路上に停めてあったSUV車65台のタイヤがパンク状態で見つかった。フロントガラスには該当車をパンクさせた旨を通知し、「SUV車は有害だ」と大きく記したチラシが置かれていた。パンクさせたのはSUV車の広がりに反対するエコロジストの団体メンバー約20人で、「SUV車は普通の車よりも排出する温室効果ガスが20%も多い」と活動の正当性を説く。(フランス・ブルー、1/24)

 車庫証明の存在しないフランスでは、夜間路上に駐車される自家用車の数は少なくない。2015年の統計によれば、夜間、路上に駐車される車は全体の約4分の1だ。

 ランベルサール市はこの事件を受けフェイスブックに「これらの活動家の行動は、完全に大義を損なうものだ。敵対ばかりを生み、何の解決策も示さない」と非難する声明を発表。その中で、被害に遭った市民は集団による器物損壊として警察に訴えることができると案内した。

Text by 冠ゆき