フランス、なぜ若者に無料コンドームなのか? 日本と違う避妊事情

フランス・パリの薬局(1月9日)|Francois Mori / AP Photo

 マクロン仏大統領は8日、2023年1月1日から18~25歳は薬局で無料でコンドームを入手することができると発表した。その背後にあるのは、世界的に増加傾向にある性病だ。日本でも梅毒感染者が急増しており他人事ではない。

◆性病予防が第一の目的
 フランスではすでに2018年12月以来、男性用コンドーム購入は保険が適用される。公的医療保険で6割が払い戻され、残りの4割も任意加入の相互保険に加入していれば払い戻しが可能だ。ただし、還付を受けるには、医師か助産師による処方箋が必要だ。

 今回の発表によれば、今後は処方箋が不要になるため、コンドームの入手はより容易になる。性感染症との闘いを支援する団体らは、こぞってこの決定を歓迎した。またマクロン大統領はこの翌日、これらの団体の意見を取り入れ、対象を18歳未満の未成年者にも拡大するとツイッターで発表した。

 コンドーム使用促進の第一の目的は、性病予防だ。マクロン大統領は、同じ目的のために、無料の性病検査と、ワクチン接種の拡大にも取り組む意向も同時に示した。

Text by 冠ゆき