「生き地獄」アジアの若者がだまされカンボジアで強制労働 人身売買組織が暗躍

カンボジアの人身売買行者から救出されたマレーシア人(9月9日)|Vincent Thian / AP Photo

 仕事を探している若者が好待遇の仕事があるとソーシャルメディアで勧誘され、カンボジアに渡った後、拘束され違法に働かされるケースがアジア各国で大きなニュースになっている。人身売買組織が絡んでおり、被害の実態が明らかになってきた。

◆海外で高給ワーク だまされる若者
 人身売買組織の多くは有名な犯罪組織ネットワークと関係があり、ソーシャルメディアを通じ、アジアの若者にカンボジア、タイ、ミャンマー、ラオスなどでの高給の仕事と宿泊施設の提供を持ちかける。若者たちが現地に到着するとパスポートを取り上げ、別のグループに売ったり、電話やオンラインでの詐欺行為を行う事務所で無理やり働かせたりしている。こうした人身売買の加害者は台湾人、中国人、タイ人、カンボジア人などさまざまだという。(ガーディアン紙

 最大の被害者はベトナム人と台湾人だという。台湾当局によれば、約5000人の国民がカンボジアに渡航した後、帰国していない。台湾の警察は少なくとも370人が拘束されていることを確認したと発表したが、実際の被害者はもっと多いだろうとしている。(同)

Text by 山川 真智子